「年末に決算をするから、9月にわざわざまとめなくてもいい」と思っていませんか?でも、9月は会社にとって1年の前半が終わる大事なタイミングです。ここで一度立ち止まって、自分の仕事の流れやお金の動きをチェックすることは、とても大事なことです。
たとえば、思ったよりたくさん売れていたら、「このまま頑張ろう」と思えたり、「少しお金に余裕があるから、新しいことに挑戦しよう」と考えたりできます。逆に、あまりもうかっていなかったら、「どこに問題があるのかな」「何を変えたらよくなるかな」と、見直すチャンスになります。
数字をきちんと見ることで、気づかなかったことが見えてきます。数字は自分の会社の健康状態を教えてくれる大事な道具です。このコラムでは、「なぜ9月に中間決算をするべきなのか」「どうやって簡単にできるのか」を、できるだけやさしく、分かりやすく説明していきます。
会計管理の課題
多くの人は、「決算は年に1回すればいい」「税金のためだけにやるもの」と思っています。特に、毎日の仕事が忙しいと、帳簿をつけたり、お金の管理をしたりする時間がなかなか取れません。「やらなきゃいけないけど、手が回らない」「今さら中間決算なんて無理」と感じる人も多いでしょう。
でも、数字を見ずに仕事を続けると、気づかないうちにお金が足りなくなっていたり、無駄に使いすぎていたりすることがあります。「もっと早く気づいていればよかった」と後悔する前に、9月のタイミングで一度見直すことが大切です。
たとえば、9月までで思ったより支出が多かったとしたら、残りの月でどうやって支出を抑えるか考えられます。また、逆に売上が少なかった場合は、年末に向けてどうやってお客さんを増やすかなど、対策を立てることができます。
なぜ中間決算が後回しになるのか
中間決算をしない理由はいくつかあります。
一つ目は、法律で決まっていないからです。年末の決算のように、税務署に出す必要がないため、「やらなくても大丈夫」と思ってしまいがちです。
二つ目は、社長さんやオーナー自身が経理をしている場合、忙しくてなかなか数字の整理ができないことです。現金でのやりとりが多い業種では、レシートがなくなっていたり、記録がもれていたりすることもあり、後でまとめるのが大変になります。
三つ目は、「数字を見てもよく分からない」と感じる人が多いことです。せっかくまとめても、「この利益ってどういう意味?」「どこを改善すればいいの?」と悩んでしまい、「意味がない」と思ってしまうのです。
でも、本当は中間決算はとても役に立つ道具です。
経営の現状を可視化し、早期に改善策を講じるための貴重なタイミングを与えてくれる重要なステップです。これを行うことで、経営判断に迷いがなくなり、資金繰りや利益率の改善などに直結した行動が取りやすくなります。少しずつ慣れていけば、「売上が上がってきた」「この商品はもうかってる」など、自分のビジネスの強みや弱みが見えてきます。
【中間決算の重要ポイントまとめ】
経営状態を“見える化”することで、安心して今後の計画を立てられる
売上や利益の推移を確認し、年末に向けた戦略を早めに見直せる
資金繰りの状況を把握し、急な支払いにも備えられる
赤字部門やコスト過多のサービスなど、改善すべき課題が明確になる
年末決算前の“経営ブレーキ”や“アクセル”の判断材料になる
実務に役立つ中間決算の活用法
まずは、「完ぺきじゃなくていい」と思うことが大事です。最初から正確な数字を出そうとせず、ざっくりとでも数字を出してみることがスタートになります。それだけで、「あれ?支出が多すぎるな」「思ったより売れてないかも」と気づくことができます。
売上や経費をまとめる
最初にやることは、7月から9月までの売上や経費をまとめることです。どれくらいもうけが出ているかを知るためには、売上から経費を引いてみましょう。会計ソフトを使えば、数字を入れるだけで自動で計算してくれるので、とても便利です。
資金繰りを確認する
次に、お金の出入り、つまり「資金繰り」を確認します。売上があっても、手元にお金がなければ支払いができません。取引先からの入金が遅れていたり、大きな支払いが控えていたりすると、困ることになります。3か月くらい先までのお金の動きを、ざっくりでもいいので予想してみましょう。
売れている商品やサービスを知る
さらに、「どの商品がよく売れているか」「どのサービスで損しているか」も見てみましょう。お店なら、ランチタイムが忙しいけど利益は少ない、ディナーはお客さんが少ないけど利益が高い、というようなことが分かるかもしれません。こうした情報をもとに、どうすればもっともうかるかを考えることができます。
スムーズに進める手順
やり方はそれほど難しくありません。以下の流れで進めてみましょう。
帳簿の整理
7月〜9月の売上や経費、レシートや請求書を集めて、すべての取引内容が記録されているかを確認します。紙の書類だけでなく、メールで届いた請求書やクレジットカード明細なども見落とさないようにしましょう。その上で、会計ソフトに一つひとつ丁寧に入力していきます。クラウド型の会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカード、POSレジなどと連携して、入力の手間を減らすことができます。
もうけが出ているかを確認
損益計算書を出して、もうけが出ているかを確認します。売上から経費を引いた金額が利益です。損益計算書は、会社の「収入と支出の成績表」のようなものです。できれば月ごとの売上や経費もあわせて見て、どの月に大きく変動があったかをチェックしましょう。ここで「赤字になっている月」「売上はあるのに利益が出ていない月」などがあれば、詳しく分析します。
資金繰表をつくる
資金繰り表は、現金の出入りを管理するためのツールで、将来の資金ショートを防ぐためにとても役立ちます。作成の際は、今現在の銀行残高、来月以降の入金予定、支払い予定などを記入し、月ごとの収支を一覧で把握できるようにします。たとえば、賞与支払いや税金納付などの大きな支出がある月は、あらかじめお金を確保しておく判断がしやすくなります。
取引先別や商品別の売上・利益を確認
お店や事業内容によっては、時間帯別やサービス別、顧客層別などで分析をすると、さらに具体的な改善策が見えてきます。売上が高くても利益が出ていない商品があれば、仕入れ価格の見直しや値上げの検討が必要かもしれません。
専門家に相談
最後に、こうした資料をもとに、気になるところや不明点があれば税理士さんや専門家に相談しましょう。決算書の見方や改善点のアドバイスをもらうことで、自信を持って下期の経営に取り組むことができます。
【手順まとめ】
①帳簿の整理
7月〜9月の取引データを会計ソフトに入力。レシートや請求書、明細も漏れなく反映。
②損益計算書の作成と分析
売上と経費から利益を算出し、月ごとの推移や赤字月を確認。
③資金繰り表の作成
現金の入出金予定を一覧で整理し、資金ショートを未然に防ぐ。
④部門・商品ごとの収益確認
売れているが利益が出ていない項目を洗い出し、改善策を検討。
⑤専門家への相談
作成した資料を基に税理士などにアドバイスを求め、下期戦略を明確化。
今こそ「数字に向き合う経営」へ踏み出す
9月の中間決算は、これからの仕事の進め方を考えるための、大事なヒントになります。「ちゃんとした決算書じゃなきゃダメ」と思わず、まずは今の状況をざっくりでもいいので知ってみましょう。
毎月の数字をチェックするのが難しい人でも、年に2回、中間と年末の決算だけでも見るようにすれば、会社の調子が良いか悪いかを感じることができます。
「もうけが出ているか?」「お金が足りなくなっていないか?」を確認するだけでも、次の一歩が見えてきます。
どこから始めたらいいか分からないという人は、まずは専門家の無料相談サービスを利用してみてください。ひとりで悩まず、小さなことから始めてみることが、経営を良くする第一歩です。
大切なのは、「今の状況をちゃんと知ること」。数字を見て、しっかりと向き合うことで、会社の未来がもっとはっきりと見えてきます。



