“決算書を読めない社長”が、銀行との関係で損をする理由  改善提案

経営コーチ

「決算書を読めない社長」損しますよ!
中小企業や個人事業主の経営者にとって、資金調達は事業の成長や安定に直結する重要な課題です。特に、銀行との関係は資金繰りを左右するだけでなく、信頼関係の構築が経営の安定に大きく影響します。

しかし、現場を見渡すと「決算書を読むのが苦手」「会計は税理士に任せきりで内容を見たことがない」といった声が散見されます。実際、決算書を正しく理解していないがゆえに、銀行からの評価が下がったり、融資の条件が不利になったりと、知らないうちに大きな損をしているケースが少なくありません。

この問題は、単に「決算書を読めるようになる」という技術的な視点だけで解決できるものではありません。正確には、経営者が「決算書を『経営論理の道具』として活用できるのか」が問われているのです。銀行と対等な関係を築くためには、数値の持つ意味を読み解き、将来を描く力として使いこなすことが不可欠です。

 経営者が決算書を見ないと銀行交渉で損をする理由

決算書を読みこまずにいる経営者は、銀行との信頼関係づくりや融資交渉で、知らず知らずに損をする立場になります。
損をする理由としてまず、数値の裏側にある実態、売上や利益だけでなく、現金残高や負債構造、自己資本比率など—を理解できていなければ、銀行が重視する財務健全性を経営者自身が正確に説明できません。
また、月次の資金繰りやキャッシュフローを把握していなければ、急な資金需要に対応できず交渉の余地が狭まりまし、自社の数字に根拠をもって説明できないと、銀行側からは「返済能力が不透明」「リスクの高い融資先」と判断されやすく、結果として融資金利が高くなったり、融資枠が限定されることもあります。

決算書を冷静に見ない経営者は、自社の成長可能性を数字で語れず、資金調達のチャンスを逃してしまうのです。

この問題は、単に「決算書を読めるようになる」という技術的な視点だけで解決できるものではありません。正確には、経営者が「決算書を『経営論理の道具』として活用できるのか」が問われているのです。銀行と対等な関係を築くためには、数値の持つ意味を読み解き、将来を描く力として使いこなすことが不可欠です。「銀行との面談が苦手」「決算書を見せたら、融資の話が進まなかった」「自分の会社の経営状態が数字でどう見えるのか分からない」——こうした悩みは、実は多くの中小企業経営者や個人事業主が抱えています。

日々の業務に追われながら、帳簿や決算書は税理士に任せきり。忙しさを理由に数字を避けてきた結果、いざ銀行との関係が重要になるタイミングで「経営者としての説明力」が問われ、損をしてしまうケースが少なくありません。

特に、資金繰りが厳しいタイミングでの銀行との交渉では、経営者自身の数字理解がそのまま信用の有無に直結します。融資を受けられるか否か、あるいは条件がどうなるかは、銀行から見た「この経営者は数字を理解しているかどうか」で大きく変わってくるのです。

このコラムでは、「決算書を読めない経営者」がなぜ銀行との関係で不利になるのか、その理由を明確にし、数字を味方につけるための実践的な対策と導入ステップをお伝えします。

融資交渉で差がつく“数字力

銀行は融資の判断を、書類と面談で決定します。書類とはすなわち「決算書」であり、面談とは「経営者の説明力」です。

ところが、決算書を「数字の羅列」としか捉えられていない経営者は、そのどちらにも対応できません。その結果、本来は受けられるはずの融資が通らなかったり、金利が高く設定されたり、保証人や担保の条件が厳しくなったりと、不利益を被ることになります。

実際、同じ業種・同じ規模でも、経営者の財務理解度に応じて銀行の態度が変わるという事例は多く見られます。銀行は「事業を理解し、自社の数字を説明できる経営者」に信頼を寄せるのです。

また、銀行にとって経営者との信頼関係は非常に重要です。単に数字を提出するだけではなく、その内容を把握し、前向きに改善に取り組む姿勢を見せることで、より良い条件での融資や、長期的な取引継続につながることもあります。

なぜ経営者は数字が読めないのか

中小企業や個人事業主にとって、財務知識を学ぶ機会は限られています。経営に直結する「数字の理解」は、学ぶ必要性を感じながらも後回しにされがちです。

まず、多くの経営者が決算書を税理士任せにしており、自社の財務状況をブラックボックス化しています。税務申告のために作られた書類として捉えてしまい、「経営判断のツール」としての視点が抜けてしまっているのです。

さらに、銀行がどこを見ているかが分からないまま交渉に臨むため、肝心の面談で数字に基づいた説明ができません。銀行とのコミュニケーションの前提がずれていることが、信頼を得られない大きな要因となっています。

このような状態が続くと、経営に必要な資金が十分に確保できず、せっかくの成長機会を逃してしまうことにもつながりかねません。数字への無関心は、結果として企業の成長スピードを鈍化させるリスクを伴うのです。

数字を「読む」から「使う」へ

経営者が決算書を理解することは、単に融資のためだけでなく、会社を健全に成長させるために不可欠です。
最低限押さえるべきは、次の3つの数字です。

1.「利益(損益計算書の最終行)」

これが黒字か赤字かだけでなく、前年や同業と比較してどうかを把握することが重要です。

2.「自己資本比率(貸借対照表から算出)」

会社の安定性を見る指標として、銀行は最も重視します。

3.「キャッシュフロー(資金繰り)」

利益が出ていても資金が不足している会社は珍しくありません。現金の動きを月単位で確認することが、資金繰り悪化を防ぐ鍵となります。


また、銀行は「過去の実績」「将来の見通し」「経営者の姿勢」の3点を重視します。数字を交えて自社の現状を説明し、今後の改善方針や事業計画を語れることが、信頼を勝ち取るうえで欠かせません。

加えて、銀行は「なぜこの数字になったのか」「今後どう改善していくのか」という視点で経営者を評価します。結果だけではなく、そこに至るプロセスや背景を説明できることが、信用の獲得につながります。

※税務に関する判断や節税対策については、必ず税理士にご確認ください。

財務を理解し、信頼を得るための実践方法

自社の決算書を「読む機会」を作ることです。税理士との月次面談や試算表の確認などを通じて、定期的に数字に触れる習慣をつけましょう。

1.自社の決算書を「読む機会」を作る。

税理士との月次面談や試算表の確認などを通じて、定期的に数字に触れる習慣をつけましょう。

2.月次の損益・資金繰りを管理するツールを導入する。

エクセルやクラウド会計ソフトで構いません。収支の可視化が、銀行との対話をスムーズにします。

3.銀行に提出する資料は「作成済みの決算書+事業計画書」の用意

事業計画には、今後の売上見込みや利益目標だけでなく、改善策やリスク対策も明記しましょう。

数字は“経営の言語”である

数字を読み解く力は、経営の質を高める最も有効な手段です。

決算書は税務のための資料ではなく、会社の過去・現在・未来を語るための“経営の言語”です。経営者がそれを理解し、自分の言葉で語れるようになれば、銀行からの信頼は自然と高まり、融資条件も有利になります。

もし今「決算書が読めない」「銀行対応が不安」という状況にあるなら、それは損失の入口です。今日から、自社の数字に目を向け、少しずつ理解を深めていきましょう。その一歩が、資金繰りの安定と経営の強化につながります。

まずは顧問税理士との対話から始めてみてください。財務の不安を解消し、銀行に信頼される経営者になるための第一歩です。

数字を理解することは、自己理解にもつながります。自社の強みや課題を把握し、未来への戦略を構築するために、今こそ「数字に向き合う経営」を始めましょう。