夏季休業中に見直したい!会計処理のチェックリスト

経理コンサル

毎日忙しく働いていると、「経理や帳簿の整理は、あとでやろう」と思ってそのままになってしまうことはありませんか? ついつい後回しにしてしまった経理作業がたまってしまい、いざ申告の時期になって慌てる……そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
特に中小企業の経営者や個人事業主の方々は、売上や現場対応を優先せざるを得ず、経理や会計の整理は“やらなきゃいけないけど、できていないこと”の代表格です

そこでおすすめしたいのが「夏の休み中の会計見直し」です。業務の動きが少し落ち着くこの時期だからこそ、じっくり腰を据えて経理を整えるチャンスです。この記事では、経理が後回しになりがちな方に向けて、夏の間にチェックしておきたいポイントをやさしく解説していきます。

夏の休みは会計を見直すチャンス!

いつも仕事が忙しくて、経理の作業は後回しになっていませんか?お店の運営やお客様の対応、商品の準備などに追われていると、どうしてもレシートの整理や帳簿づけといった地味だけど大事な作業は後まわしになってしまいます。

でも、夏の長期休みは、お店や会社の動きが少しゆるやかになることも多く、普段なかなか時間が取れない業務に取り組む絶好のチャンスです。とくに、帳簿や経理といった「見えないけれど重要な仕事」は、このタイミングでしっかり見直しておくと、秋からの仕事がグンと楽になります。
経理がきちんと整っていれば、売上や支出の流れがわかりやすくなり、ムダな支出やミスに気づきやすくなります。経営の安心感にもつながりますよ。

経理がごちゃごちゃしてしまう理由

中小企業や個人でお店をやっている人の中には、「経理って難しそう」「数字のことは苦手」と感じている人も多いと思います。そのため、経理に関するルールや方法が決まっていなかったり、人によってやり方が違ったりして、うまく整理できていないことがあります。

たとえば、レシートを箱にため込んでいたり、帳簿に「飲食代」などのあいまいなメモだけ書いていたり、自分のお金とお店のお金が混ざってしまっていたりします。こういう状態をそのままにしておくと、あとで何にいくら使ったのか分からなくなり、税理士さんに頼むときにも困ることになります。

最近は税金や会計のルールがどんどん変わっています。今までのやり方のままで大丈夫なのか、心配になることもあります。けれども、日々の仕事に追われていると、どうしてもこうしたことは後回しになりがちです。そうして気がついたときには「もうどうにもならない」と感じてしまうのです。

経理業務に潜む危険

特定の人に頼りすぎている

経理の仕事を一人にまかせっきりにしていませんか? その人が体調を崩したり、辞めたりしたとき、代わりがいないと仕事がストップしてしまいます。これは「属人化」と呼ばれる問題で、仕事のやり方が人にしか分からない状態になってしまっていることを意味します。もしもその人に何かあったとき、他の誰も経理を引き継げず、会社やお店の運営に大きな支障が出てしまうかもしれません。

道具の使い方が不十分

最近は多くの方が会計ソフトやアプリを使っていますが、それらの道具を「とりあえず入れただけ」になっていないでしょうか? 新しいソフトを導入したのに、入力方法がよくわからずに手書きと併用していたり、便利な機能があるのに気づかずに手間のかかる作業をしていたりするケースは少なくありません。こうした“宝の持ち腐れ”状態では、経理の効率化は望めません

一年に一度だけやる

確定申告のときだけまとめてやればいい」という考え方にも要注意です。1年に一度だけ帳簿を確認したり、まとめて記帳をするやり方では、経営の実態がつかみにくくなります。日々のお金の動きを把握できていないと、売上が伸びているのか、経費が増えているのか、判断がつかず、タイムリーな経営判断ができません。たとえば、いつの間にか支出が増えていたり、売上が減っていたりしても、年末にならないと気づけないというのは、大きなリスクです。

これらの問題は、毎日の仕事の中ではあまり気づかないかもしれません。でも、だからこそ、時間の余裕がある夏の休みを使って、落ち着いて見直すことがとても大切なのです。経理が一部の人だけのものではなく、チーム全体で情報を共有できるようにしたり、道具を正しく使いこなせるように説明会やマニュアルを用意したりすることが、経営の安定につながります。
このタイミングで「誰が」「何を」「どうやって」やっているかを整理し、属人化やシステム未活用の問題に気づくことが、次の一歩を踏み出すきっかけになります。

経理業務に潜む危険
・一人に頼りすぎていて他の人が誰もわからない状態
・道具の使い方が不十分であり宝の持ち腐れ状態
・「一年に一度だけやればいい」と後回し状態

夏にやっておきたい会計チェックポイント

では、実際に夏の間にどんなことをチェックしておけばよいのでしょうか? 以下に、重要なポイントをいくつか詳しく紹介します。これらを順番に確認していくことで、経理の抜けやミスを防ぎ、スムーズな経営ができるようになります。

書類の整理

まずは、たまっているレシートや請求書の整理です。紙のままで机の引き出しに放置しているものはありませんか?それを1枚ずつ仕分けして、会計ソフトに入力していきましょう。スキャンしてデータにしておくと、あとで探すのがとてもラクになります。できれば、「日付」「金額」「使い道」「支払い方法(現金・クレジットなど)」をメモしておくと、記帳がとてもスムーズです。

帳簿の見直し

次に、帳簿の中身を見直してみましょう。どんな内容でお金を使ったのか、分かりやすく書かれているかを確認します。たとえば、「昼食代」「交通費」などとしか書かれていないと、あとで思い出せないことがあります。「〇〇会社との打ち合わせ 昼食代」など、内容を明確にしておくと安心です。記入ミスや間違った勘定科目が使われていないかもチェックしましょう。

売上の見直し

また、売上の記録も見直しましょう。レジやシステムから出た売上データと、帳簿の数字が一致しているかを確認してください。とくに、現金売上がある場合は、漏れが起きやすいので要注意です。

設備投資の確認

そして、新しく買ったパソコンや機械などの設備投資についても確認しましょう。そうしたものは「固定資産」として記録しなければいけません。さらに、時間がたつと価値が少しずつ減っていく「減価償却」という会計ルールに従って、正しく処理する必要があります。これが間違っていると、税金の計算にも影響が出てしまいます。

給与の処理

従業員がいる場合は、給料やボーナス、保険料などの支払いがきちんと処理されているかも見直しましょう。源泉徴収(給料から差し引いて納める税金)や社会保険の支払いが遅れてしまうと、あとで罰金がかかることがあります。また、給与明細が正確か、必要な控除が適切に行われているかも確認が必要です。

預金の残高確認

さらに、預金口座の入出金が帳簿と一致しているかを照らし合わせる「銀行口座の突き合わせ」も行いましょう。これをしておくことで、振込漏れや記帳ミスなどを早い段階で発見できます。

ソフトやサービスの検討

最後に、今使っている会計ソフトやクラウドサービスが、自分のお店のやり方に合っているかを考えてみましょう。使いづらい、見づらい、操作が難しいと感じているなら、他のサービスを試してみるのもアリです。新しいサービスの導入を考えているなら、夏のうちに比較・検討しておくのがよいでしょう。
データの保存(バックアップ)や誰がどこまで見られるか(権限)などもチェックしておくと安心です。たとえば、経理担当だけが修正できるように設定する、バックアップを自動で取るようにしておくなど、トラブルを防ぐ仕組みづくりも大切です。

会計チェックポイントまとめ
・書類の整理
・帳簿の見直し
・売上の見直し
・設備投資の確認
・給与の処理
・預金の残高確認
・ソフトやサービスの検討

会計の見直しをうまく進めるには?

チェックリストを見て、「やることがたくさんある」と感じるかもしれません。そんなときは、まずは「いま一番気になっていること」から取りかかりましょう。そして、1日ごと、あるいは週ごとに少しずつ進めていくようにスケジュールを組んでみてください。
たとえば、1週目はレシートと請求書の整理、2週目は帳簿の記入チェック、3週目は会計ソフトの設定見直し、といった具合に、ゆるやかに進めるのがポイントです。

また、信頼できる税理士さんや経理の専門家がいれば、相談してみるのもとても良い方法です。一緒に見直すことで、自分では気づかなかった問題点や、新しい改善のヒントをもらえるかもしれません。
もし、新しい会計ソフトやツールを使ってみたいと思っているなら、この夏がいいタイミングです。普段の仕事中では時間がとりにくい設定や準備も、休みの間ならゆっくり進められます。

また、経理作業がどうしても大変な場合は、一部を外部の専門サービスにまかせるのもよい選択肢です。たとえば、毎月の記帳や給料計算だけをプロにお願いすれば、自分たちは本業にもっと集中できます。

秋からの経営に備えて準備しよう

夏に会計を見直すことは、ただの整理整頓ではありません。それは、秋からの経営を安心して進めるための「準備体操」のようなものです。

会計データがしっかりそろっていれば、売上の伸びや経費のムダが見えやすくなり、今後どこを改善すればよいかが分かってきます。お金の流れがスムーズに分かると、不安も減りますし、自信を持って判断ができるようになります。
さらに、これから始まるインボイス制度や、電子帳簿の保存義務など、難しくなっていく税金や法律のルールにもしっかり対応していくことが必要です。

今のうちに会計の基礎を整えておけば、新しいルールにも安心して対応できますし、将来の成長にもつながります。
税理士法人YMG林会計では無料でご相談を承っていますので、まずは一度お問い合わせください。小さな見直しが、大きな安心につながるかもしれません