財務分析は難しくない!初心者でもわかる数字の読み方と活かし方

経理コンサル

財務分析は初心者でも難しくないですよ!
日々の業務に追われ、売上や支出の大まかな流れは把握していても、「数字をもとに意思決定を」となると、つい手が止まってしまう経験はありませんか?

なぜ財務分析は「難しい」と感じるのか? それは、専門用語が多いからではありません。経営者が本当に知るべき「たった3つの数字の見方」が、整理されていないだけです。

このコラムでは、財務に苦手意識がある方や、初めて数字を見る経営者の方へ、財務分析の基本と数字の経営への活かし方を財務分析の初心者に対しても実践的かつわかりやすく解説します。

なぜ初心者でも財務分析を学ぶべきなのか?

「財務分析は専門家だけがやるもの」と思っていませんか?
経営の意思決定を感覚だけに頼ってしまうと、思わぬ損失や資金トラブルに陥るリスクがあります。
実は経営初心者や個人事業主、これから起業を考えている方こそ、財務分析の基本を知っておくべきです。

財務分析とは、会社の経営状況や将来の見通しを「数字」を通じて読み解く技術のこと。
売上や利益だけでなく、「お金の流れ」や「資産の状態」など、目に見えない経営の実態を数字で把握できます。売上や利益だけでなく、実際に使えるお金がどれだけあるか、無駄な支出がないかなども見えてきます。初心者が財務分析を学ぶことで、感覚ではなく「根拠ある判断」ができるようになります。
たとえば、「今、人を雇っても大丈夫か?」「この投資は収益につながるか?」といった判断にも、自信が持てるようになります。

数字が読めない、それが経営判断のブレーキになっていませんか?

「損益計算書や貸借対照表は見たことがあるけど、内容までは理解できていない」「毎年の決算は税理士に任せきりで、自分で読もうとはしていない」――このような状態に心当たりのある方は、決して少なくありません。特に、個人事業主や中小企業の経営者にとっては、本業の忙しさから財務の学習に時間を割くのが難しく、数字に対して苦手意識を持ってしまうことも多いのです。

ですが、実は財務分析というのは、一部の専門家だけが扱える特別なスキルではありません。経営の方向性を確認したり、現状の課題を浮き彫りにしたりするための「経営者のためのツール」であり、基本的な考え方さえ押さえておけば、誰でも実務に活かすことができます。


経営者が抱える「数字の壁」

創業間もない時期や、まだ事業規模が小さいうちは、経営の目標は「とにかく売上を上げること」「まずは黒字化すること」が中心です。そのため、細かい数字の分析よりも、営業活動や商品開発、販路拡大といった実務に追われる日々が続くのが一般的です。

しかし、事業が軌道に乗り、少しずつ拡大していくと、単純な売上アップだけでは通用しなくなってきます。人件費や仕入れコストが増え、在庫の管理や外注費の調整が必要になるなど、出ていくお金の流れが複雑になり、「利益が出ているはずなのに、なぜかお金が残らない」といった問題に直面することもあるでしょう。

そうした時に重要になるのが、「数字に基づいた経営判断」です。
しかし実際には、

  • 会計ソフトに入力して満足してしまい、数字の中身を見ない
  • 決算書は専門家任せで、内容までは確認していない
  • 数字を見てもどこに注目していいかわからず、結局使いこなせない

といった状況に陥ってしまう経営者が少なくありません。こうした「数字の壁」を乗り越えないままでは、経営判断の精度が上がらず、せっかくの利益を取りこぼしたり、資金繰りに行き詰まるリスクも高くなってしまいます。


「数字を見る力」が養われない理由

では、なぜ多くの経営者が「数字を見ること」に苦手意識を持ち続けてしまうのでしょうか。その原因は非常にシンプルです。

「財務=難しい」という先入観

損益計算書や貸借対照表といった言葉を聞くだけで、なんとなくとっつきにくく感じてしまうのは、誰にでもあることです。専門用語や数字が並んだ帳票に抵抗を感じるのは当然で、それを避けようとするのも自然な反応と言えます。

見方を教わっていない

多くの経営者は、簿記や会計の知識がないまま事業をスタートしています。最初から会計の専門家を雇うことは難しいため、なんとなく会計ソフトを使い、なんとなく税理士に任せる、という状態が続き、結果的に自分で数字を読む機会がないまま年月が過ぎてしまいます。

「間違えたら怖い」という心理的ブロック

財務や税務に関しては「ミス=ペナルティ」というイメージがあり、正しく読み解く自信が持てないまま、手を出せずにいるケースが多いのです。

3つの視点で学ぶ「やさしい財務分析」

財務分析を活用するために、すべての会計知識を網羅する必要はまったくありません。経営判断に役立つ数字は、実はほんの一部。経営者として押さえるべきポイントを、3つの視点から紹介します。

損益計算書(PL)で「利益の流れ」をつかむ

ここには売上から最終的な利益までの流れが記載されており事業が「儲かっているかどうか」が一目でわかります。
注目ポイントは以下の四点です。月ごとにこの流れを見るだけでも、無駄な支出や粗利の低下などにいち早く気づけるようになります。

  • 売上高:どれだけの収入があるか
  • 売上原価:仕入れや材料費などの直接コスト
  • 販管費:人件費、広告費、家賃など
  • 営業利益:本業でどれだけ利益を出せているか

貸借対照表(BS)で「経営の体力」を確認する

会社の財政状態、つまり「どれだけの資産があり、どれだけの負債を抱えているか」を示します。
注目すべき項目は下記項目です。四点とも押さえておきましょう。特に借入がある場合は、返済スケジュールや資産とのバランスをチェックする習慣が大切です。

  • 現金・預金:すぐに使えるお金の残高
  • 借入金:返済が必要な負債
  • 資産の内訳:現金、在庫、設備など
  • 自己資本比率:会社の安定性を測る指標

キャッシュフロー計算書(CF)で「お金の流れ」を見える化

利益とは別に、「現金が増えているのか減っているのか」を見るための帳票です。
チェックするポイントは下記三点です。こちらも重要な項目になるので押さえておきましょう。
「黒字なのにお金がない」状態の原因を把握するためには、必須の資料です。

  • 営業CF:本業からどれだけ現金を生み出しているか
  • 投資CF:設備投資などにどれだけ使っているか
  • 財務CF:借入や返済などの動き

初心者でもこれだけは見てほしい!「経営の体力・利益の流れ」」の重要指標

PL・BS・CFの読み方を理解しても、「結局どの数字が改善すべき目標なのか」が曖昧になりがちです。
ここでは、特に初心者の経営者がまず押さえるべき「経営の体力」と「利益の流れ」を測る2つの指標を追加します。

経営の体力 指標:自己資本比率の目安

自己資本比率は、総資産に対して返済不要の自己資本がどれだけあるかを示し、「倒産しにくさ」を測る重要な指標です。

【判断の目安】 理想は50%以上。30%を超えていると安定しているとされますが、業種によって目安は異なります。

この比率が低い場合、負債(借入金)への依存度が高いことを意味し、資金繰りに行き詰まるリスクが高くなります。

利益の流れ 指標:売上総利益率(粗利率)の改善

売上総利益率は、「本業でいくら稼げたか」を示す、会社の「ビジネスモデルの優劣」を測る基本指標です。

【計算方法】 (売上総利益 ÷ 売上高) × 100

この数字が低い場合、仕入れや製造にかかるコストが高すぎる可能性があります。まずはこの粗利率を改善することが、利益体質への第一歩です。

これらの指標を月次でチェックすることで、経営課題が具体的な数字として見えてきます。

財務分析を経営に活かすために

では、これらの財務情報を、実際に日々の経営判断にどう落とし込んでいけばいいのでしょうか?その第一歩は、「数字に触れる習慣をつけること」です。下記のようなステップを踏んでみましょう。

財務分析を活かすために
  • STEP1
    月初に必ず試算表を確認する

    前月の数字を確認し、収支の変化や気になる点を把握しましょう

  • STEP2
    わからない用語はその都度調べる

    経営に必要な最低限の会計知識をつけるため、わからない単語はすぐに調べましょう

  • STEP3
    税理士に「やさしく説明して」と依頼してみる

    専門用語が難しい場合は遠慮せず、理解できるまで説明してもらいましょう

  • STEP4
    経営会議で数字を印刷し、書き込みながら議論する

    会議では数字をもとに具体的な課題や改善策を議論し、気づいたことはその場で書き込む

小さなステップを積み重ねることで、数字が自然と「経営の言語」として理解できるようになります。
※帳簿や税務に関しての判断は、必ず税理士や会計士に確認してください。
また、「経理代行サービス」に依頼する方法もあります。


数字を味方につける経営へ

財務分析は、特別なスキルでもなければ、経営者にとって苦行である必要もありません。むしろ、今後の経営判断を下すための「頼れるナビゲーションツール」として、大いに活用できるものです。

重要なのは、「完璧に理解すること」ではなく、「必要な数字を、必要な時に読み取って活かすこと」です。数字はあなたの経営判断を支えるパートナーであり、正しく使えば、今よりずっと強い経営が実現できます。

あなたの事業が次のステージへと成長していくためにも、今から「数字に強い経営者」への第一歩を踏み出しませんか?