初めてでも安心!会計事務所の選び方〜税理士ってどこまでやってくれるの?〜

経理コンサル

「確定申告の時期が近づくたびに、何をどう準備すればいいか分からず、憂うつになる」「経理のことは専門家に任せたいけれど、誰に相談すればいいのか分からない」。中小企業の経営者や個人事業主の方々から、こうした声をよく耳にします。

特に、法人化を検討中の個人事業主や、すでに事業を拡大しつつある方にとって、税務や会計の管理は切っても切れないテーマです。しかし、「税理士」と聞いても、その業務範囲や役割が曖昧なままでは、相談するタイミングや内容すら見極めにくいのが実情です。

本コラムでは、「税理士って結局、どこまでやってくれるの?」という素朴な疑問に答えつつ、自社に合った会計事務所の選び方と導入ステップを、実務目線で丁寧に解説します。経営者の皆さまが本業に専念できる環境を整えるための一助となれば幸いです。

税務・会計業務に潜む3つの課題

多くの経営者が共通して抱える悩みには、次のようなものがあります。

第一に、会計処理や帳簿付けの煩雑さです。売上や仕入、経費の記録はもちろん、消費税や源泉徴収の対応も必要となる中で、手作業やエクセル管理では限界があります。

第二に、確定申告や決算業務の負担です。年度末になると、必要書類の準備に追われ、睡眠時間を削って作業するケースも少なくありません。「この経費、落としていいの?」といった判断にも時間を取られます。

第三に、税務調査や法改正への不安です。税制は毎年のように改正され、知識のアップデートが不可欠ですが、経営者自身がキャッチアップするのは現実的ではありません。

これらの課題に共通するのは、「専門知識の欠如」「時間的制約」です。つまり、自社だけで対応しようとするには無理がある領域なのです。

経営者の悩み
1.会計処理や帳簿付けのクオリティの低さ
2.業務量の負担
3.税務調査や税制改正の対応

なぜ税理士が必要なのか? その役割を再確認

税理士の主な業務は、大きく分けて3つに分類されます。

1つ目は、「税務代理」です。これは、確定申告や法人税の申告、年末調整などを、納税者に代わって行う業務です。税務署とのやりとりや書類提出も含まれるため、非常に実務的かつ重要な役割を果たします。

2つ目は、「税務書類の作成」です。適正な会計帳簿に基づいて、各種申告書を正確に作成することで、税務リスクを軽減し、万一の税務調査にも備えることができます。

3つ目は、「税務相談」です。節税のアドバイスや、経費計上の判断、新規事業への投資判断といった相談に応じます。実はこの相談業務こそが、経営者にとっての大きな価値となります。

ただし、ここで重要なのは、税理士によって対応範囲や得意分野に違いがあるという点です。会計ソフトの導入支援記帳代行を行う事務所もあれば、経営コンサルティングに強い税理士もいます。そのため、「何を任せたいのか」を明確にしておくことが、事務所選びの前提条件となります。

会計事務所選びで失敗しないための4つの視点

税理士や会計事務所を選ぶ際には、次の4つのポイントを確認しましょう。

第一に、「対応業務の範囲」です。単なる記帳代行だけでなく、経営アドバイスや資金繰り支援、補助金申請のサポートなど、自社が求めるサポートが含まれているかを確認します。

第二に、「コミュニケーションの取りやすさ」です。オンラインでのやりとりが可能か、質問への対応スピードはどうか、報告の頻度や形式は希望に合っているかなどを確認しましょう。

第三に、「業界理解の有無」です。建設業や飲食業、不動産業など、業界ごとの税務や会計の特殊性に理解がある税理士は、より実践的なアドバイスが可能です。

第四に、「費用体系の明確さ」です。顧問料、決算料、オプション料金などが明示されているか、追加料金の有無なども含めて事前に確認し、不透明な点がないかチェックします。

導入ステップと活用方法

会計事務所と契約するまでのステップは、次のようになります。

まず、自社の課題と希望を整理します。「記帳代行をお願いしたい」「節税の相談に乗ってほしい」など、依頼内容を明確にしておくことで、面談時のミスマッチを防ぐことができます。

次に、複数の事務所に無料相談を申し込み比較検討します。この段階で、担当者との相性や説明の分かりやすさ、レスポンスの速さなどを確認します。

その後、契約条件や業務範囲を明記した顧問契約書を交わします。口頭での約束ではなく、文書で明確にしておくことで、後のトラブルを回避できます。

契約後は、業務フローの整備や、必要書類の共有クラウド会計ソフトとの連携など、実務の引き継ぎを行います。初期は少し手間に感じるかもしれませんが、これを丁寧に行うことで、長期的にスムーズな運用が実現します。

会計事務所と契約するまでのステップポイント                                                    
・自社の課題と希望を整理する
→依頼内容を明確にし、面談時のミスマッチを防ぐ!
・複数の事務所に無料相談を申し込み、比較検討をする
→担当者との相性や、説明の分かりやすさ、レスポンスの速さに納得がいくか
・選んだ税理士と契約書を取り交わす
→口頭ではなく、文書で行い、不明点などは契約前に解消しておく
・業務のフローの整備、必要書類の共有、ソフトでの連携などの作業を行う
→作業が多く手間だが、丁寧に行うことで今後スムーズに運用できる

税理士をパートナーとして迎え、経営の質を上げる

会計事務所は、単なる外注先ではなく、経営を支える「パートナー」です。数字の処理を任せるだけでなく、未来の経営判断をともに考える存在として、積極的に活用することが求められます。

「税理士ってどこまでやってくれるの?」という疑問の答えは、「自社が求める範囲まで応じてくれる」ということになります。ただし、そのためには自らのニーズを明確にし、適切な相手を選ぶ目を持つことが大切です。

経理や税務の悩みを抱える時間を、本業や成長戦略に振り向けられるよう、信頼できる会計事務所との出会いを早めに実現しましょう。

※税務判断や節税方法については、必ず税理士にご相談ください。