新年に見直したい!経費削減の会計テクニック

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年が明けるこの時期、多くの中小企業や個人事業主が「今年こそは経営を改善したい」と考えます。中でも多くの経営者が口にするのが「経費を見直してコストを削減したい」という切実な課題です。ところが、現実には何から手をつければよいのかわからず、前年と同じやり方を惰性的に続けてしまっているケースも少なくありません。

経費削減というと、無理に支出を削るような印象を持たれがちですが、実際には「必要な支出は適切に行い、不必要・非効率な支出を排除する」ことが本質です。つまり、数字を正しく把握し、経費の性質を見極める会計のテクニックが求められるのです。

本コラムでは、年初のこのタイミングでこそ見直したい経費管理のポイントや、見落としがちなムダな支出を洗い出す会計の活用法について、実務的な視点から解説します。

なぜ経費削減がうまくいかないのか

多くの事業者が経費削減を試みるものの、思うような成果が出ない理由は大きく3つに集約されます。

1.帳簿が整理されていない

経費の可視化が不十分な状態では、どれだけ努力しても効果的な削減は見込めません

2.経費の分類が曖昧

例えば『交際費』や『消耗品費』といった科目に何でも入れてしまうと、後で分析しようとしても判断材料にならないのです。

3.属人的な会計処理

特に家族経営や少人数の事業体では、経理を担当している人の頭の中にだけ情報があるという状況が多く、非効率かつ不透明な運用になりがちです。

これらの課題はすべて、正しい会計の知識と仕組みを整えることで克服できます。

会計を味方につけるための見直しポイント

まず取り組むべきは、現在の経費項目を徹底的に洗い出すことです。前年の帳簿をもとに、どの費目が多いのか、支出の傾向を確認します。その際、以下のようなポイントを押さえておくと効果的です。

たとえば、『通信費』に高額なモバイル回線や複数のサブスクリプションが含まれていないかを精査することで、不要な契約を解約できます。また、『広告宣伝費』の中で効果測定をしていない出稿がないかを確認し、投資対効果が低いものを止める判断にもつながります。

経費を正しく分類することも大切です。たとえば『福利厚生費』と『交際費』を混同している場合、税務上の取り扱いに差が出ることがあります。

次に、会計ソフトの活用を見直すことも経費管理の改善に有効です。クラウド型の会計ソフトであれば、レシート撮影から自動仕訳までがスムーズになり、入力ミスや記帳漏れが減少します。さらに、部門別・期間別などでレポートを抽出できる機能を使えば、コスト分析が格段にしやすくなります。

経費削減に直結する実務的テクニック

経費を見直す際には、単なるコストカットではなく、将来の利益に貢献する「投資」とのバランスが重要です。その上で、以下のような実務的なテクニックが効果を発揮します。

1.取引先との契約の見直し

長年同じ条件で契約している業者がいれば、定期的に相見積もりを取り、条件の改善交渉を行うことが有効です。

2.支払い方法の最適化

定期的に現金で支払っていた経費をクレジットカード払いにすることで、キャッシュフローの改善やポイント還元による実質的なコスト削減が可能になります。ただし、法人カードの利用管理には注意が必要です。

3.業務の一部を外注化・自動化

例えば、経理業務の一部を経理代行サービスに委託することで、人的リソースを本業に集中させるとともに、ミスや遅延のリスクを軽減できます。

新年から始める経費削減アクションプラン

経費削減を継続的な取り組みとするためには、明確なステップを踏むことが重要です。

1.前年の帳簿を見直し

まずは前年の帳簿を見直し、支出内容を振り返るところから始めます。そして、見直しの中で「削減できる余地のある費目」に目星をつけ、実行可能な改善策をリスト化します。

2.会計ソフトや帳簿管理ツールの導入・見直し

操作性や自動化機能の充実度を確認し、自社にとって最も使いやすいツールを選ぶことが肝要です。また、必要に応じて外部の専門家による帳簿診断を受け、客観的な視点からのアドバイスを得ることも有効です。

新年は、経費削減に取り組むには絶好のタイミングです。月次での支出報告を習慣化し、費目ごとの分析と改善を毎月行うことで、1年後には大きな経費削減につながるでしょう。

数字から始まる、経営改善の第一歩

経費削減の第一歩は、「何に、いくら使っているのか」を正確に把握することです。そのためには、会計の仕組みを整え、経費の分類と記録を明確にすることが欠かせません。

今年は、経費削減を単なるコストカットではなく、経営体質の強化ととらえ、実行可能な一手を今から打ちましょう。そのためにも、信頼できる税理士や会計の専門家と連携し、自社に最適な仕組みを整えることが、確実な成果につながる近道です。