自分で申告できるのか、それとも税理士に頼むべきか?

経理コンサル

確定申告の時期が近づくと、帳簿の整理、経費の仕訳、売上の集計、そして申告書の作成……と、頭を悩ませる作業が山のように積み上がります。「なんとか青色申告ソフトでできないか」「今年も時間を見つけて頑張ろう」——そう思いながらも、毎年ギリギリで夜なべしながら仕上げる……という現実に疲れていませんか?

結論から言えば、売上や経費が複雑化してきたら、税理士に依頼する方が合理的であり、結果としてコストパフォーマンスに優れるケースが多くなります。この記事では、確定申告を「自分でやる」場合と「税理士に頼む」場合、それぞれの選択肢の違いや判断基準、そして依頼する際のステップを明確に整理します。

自分で申告するリスクと限界とは

個人事業主や小規模法人の多くが、申告業務を自力で行っています。特に開業して間もない時期や、まだ売上が少ない場合は、コストを抑える意味でも合理的な選択と言えます。しかし、以下のような状況に心当たりがある場合、自力申告には明確な限界があるといえます。

たとえば、複数の事業を掛け持ちしている、経費の種類が多岐にわたる仕入れや外注費が多い減価償却資産がある給与や外注先への支払いがある、などです。さらに、税務調査のリスク、控除漏れ、経費計上ミス、消費税の課税方式の誤認など、表面には現れない“見えない損失”が蓄積されていきます。

特に青色申告の65万円控除を正しく受けるためには、複式簿記による帳簿付けや期限内の電子申告が必須条件です。ここでミスをすれば、本来得られたはずの節税効果をみすみす逃すことになります。

「なんとかなる」と思いがちな申告業務の落とし穴

確定申告は年に一度の作業。だからこそ「去年もなんとかなったから今年も自分で…」と思いがちです。しかし、毎年の税制改正や国税庁の方針変更、帳簿作成ルールの厳格化など、税務は確実に“進化”しています。

特に電子帳簿保存法やインボイス制度の導入により、「帳簿の付け方」や「証憑の管理」に対する要件が高度化しました。これらに対応するには、それ相応の知識と準備が必要になります。また、将来的に法人化や従業員雇用、事業拡大を視野に入れている場合、申告業務の属人化や処理の曖昧さは、大きな障害になります。

申告を「ただの事務処理」ではなく、「経営の意思決定資料」として活用するためには、税務のプロである税理士の視点が不可欠です。

税理士を活用することで得られる5つの実利

税理士に申告を依頼することは、単なるアウトソーシングではありません。以下のような実質的な効果が期待できます。

まず、1つ目は「正確性の担保」。税法に則った処理により、申告漏れや計上ミスによるリスクを最小化できます。

2つ目は「節税アドバイス」。売上・利益構造を見ながら、最適な経費計上や控除活用の助言を得られます。

3つ目は「将来への布石」。事業拡大や法人化に向けた経理体制の構築支援も受けられます。

4つ目は「業務の軽減」。日々の記帳や資料整理から解放され、本業に集中できます。

そして5つ目は「税務調査対応」。いざという時も安心して任せられる“盾”としての存在です。

これらの要素は、目に見える「経費」以上に、経営全体の生産性を底上げする力を持ちます。

税理士に依頼する場合の流れと、選ぶ際のポイント

税理士に依頼する際は、以下のようなステップで進めるのが一般的です。

まずは、無料相談などで現在の状況や悩みを共有することから始まります。その後、記帳代行の有無、申告業務の範囲、年間の顧問契約の可否などを確認し、見積を受け取ります。

契約前には、「得意な業種・業態」「レスポンスの速さ」「料金体系の明確さ」「クラウド対応の有無」なども確認するとよいでしょう。特に最近は、チャットやクラウド会計ソフトを使ってオンラインで完結できる事務所も増えています。

なお、税務に関する具体的な判断(例:減価償却資産の取扱いや節税スキームの適否)については、必ず**【税理士にご確認ください】**。

申告業務を経営の武器に変える選択を

「申告作業をどうこなすか」ではなく、「申告業務をどう活かすか」という視点で考えることが、これからの事業運営において極めて重要です。

確定申告は、単なる納税手続きではなく、自社の財務状態や経営課題を客観的に見直す機会でもあります。税理士の力を借りることで、申告業務は“経営の武器”へと変わります。

「時間がない」「費用が心配」——その気持ちはもっともです。しかし、申告の精度、節税効果、リスクの回避、本業への集中といったトータルの視点で考えた時、税理士への依頼は“経費”ではなく“投資”と捉えるべきでしょう。

迷っているなら、まずは一度、無料相談を活用してみてください。税理士との対話が、新たな経営の視野を開く一歩になるはずです。